@article{oai:wako.repo.nii.ac.jp:00004869, author = {松村, 一男}, journal = {表現学部紀要, The bulletin of the Faculty of Representational Studies}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 本稿は日本神話の構造と歴史についての概説である。日本神話の主たる史料である『古事記』と『日本書紀』はともに八世紀はじめに編纂されている。『古事記』の方が文書としてまとまっているので、以下の考察は『古事記』を中心とする。『古事記』は三書からなり、第一書では神話、第二書では伝説、第三書では初期天皇の歴史を述べる体裁となっている。日本列島はユーラシア大陸の東端に位置しているので、日本神話のモチーフはユーラシアのさまざまな文化からの影響を示している。類似の神話モチーフは中国南方、朝鮮半島、さらにはギリシアやイラン(スキタイ)にも見られる。また、『古事記』は表面的には天皇支配の由来と正統性の主張だが、より深い水準を検討すると、太安万侶は編纂に際し、三書に一体としての構造を持たせることを意図していたという結論に至る。こうした見方は大林太良、吉田敦彦、フランソワ・マセらによる構造分析の成果である。天皇家の由来と正統性を述べるという表面的な意図は否定しがたいが、その下に潜む神話思考とその役割を明らかにすることも同時に必要であると考える。なおいうまでもないが、『古事記』、『日本書紀』、『風土記』などの古典神話(記紀神話)だけが日本列島の神話ではない。仏教による神話である仏教神話、中世の神仏習合が生み出した中世神話、そしてアイヌの神話や南西諸島の神話もある。それらを無視するのではないが、本稿では最小限の言及に留め、『古事記』に限定して構造と歴史に関する諸説を紹介し、併せて筆者の意見も述べた。}, pages = {85--116}, title = {A Structural Reading of the Kojiki}, volume = {21}, year = {2021}, yomi = {MATSUMURA, Kazuo} }