@article{oai:wako.repo.nii.ac.jp:00004803, author = {松村, 一男}, journal = {表現学部紀要, The bulletin of the Faculty of Representational Studies}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 人間、動物、植物など生物の多くは左右対称(シンメトリー)になっている。原子の配列や結晶もそうである。均衡による安定性がその要因だろう。これは表面的な差異より深い水準で、意識されることなく存在する構造であるともいえるだろう。人間が作り出す建築や紋章のデザインも左右対称なものが多い。シンメトリーは無意識のうちに(つまり本能的に)安定性を感じさせ、選択されることが多いと思われる。だとすれば、言葉による表現やそれを文字に固定した文章においてもシンメトリーは存在すると仮定してよいだろう。 しかしシンメトリーのままでは安定は表現されるが、それ以上のメッセージの表現は難しい。そこからヴァリエーションを使う動機が生じてくる。全体のシンメトリーを保持したままヴァリエーションを導入するには部分の変化を使うことになる。全体のシンメトリーとは各部のシンメトリーの総和であるから、各部の対応に同一ではなくて類似ないしは逆転の要素を用いるなら、全体のシンメトリーを保持したままで変化を表現することが可能になる。そうした安定性と変化の両面を可能にする文章構成技法は以下に紹介するように古くから世界各地で行われてきた。 本稿ではこの問題についていくつかの側面を指摘してみたい。一つは、こうした構造化の研究の歴史の紹介である。第二には、それが異なる分野において十分な情報の共有なしに行われてきた結果、もっと早期により豊かな展開が実現した可能性が残念ながら失われてしまったことの指摘である。第三には構造化の広がりの紹介である。もっとも顕著なのは文章構成法の分野だが、その他の分野においても同じ原理に基づく構造化は認められる。}, pages = {79--98}, title = {三つの構造 : キアスムス、プロップ、レヴィ=ストロース}, volume = {20}, year = {2020} }