@article{oai:wako.repo.nii.ac.jp:00004503, author = {一柳, 富美子}, journal = {表現学部紀要, The bulletin of the Faculty of Representational Studies}, month = {Mar}, note = {application/pdf, ロシア語では各単語に必ず一箇所の力点があり、この力点の抑揚によってのみ疑問文と平叙文が区別されるほど、その扱いは重要である。音楽と言葉の相関関係について、本論は、この単語の力点音節および非力点音節の音楽的処理に注目した試論である。 25年前から声楽の現場に深く関わってきた筆者は、多くの楽譜を分析して、ロシア語の音節やイントネーションと、音楽の拍節やアーティキュレーションとの相関関係を調べた。その結果、17世紀後半に誕生した三声体合唱のカント、及び西欧音楽の影響下にあった18世紀中葉~19世紀前半までの声楽曲以外は、オペラ・合唱・歌曲などロシア語を伴う全ての音楽ジャンルに於いて、ロシア語の力点の位置と音楽の拍節が合致していることを確認し、ロシア単語の力点位置に関する基本法則「力点音節は常に非力点音節よりも音楽的に強調される」を導いた。この基本法則を外している時には、必ず作曲者に特定の意図があり、古臭さ、民謡調、教会聖歌風、非ロシア的、異常者・酔っ払い、強い感情や不安、擬声語などを表している。 この分析方法を用いると、グリーンカ(1804~57)は「ロシア音楽の祖」として過大評価されていること、チャイコーフスキイ(1840~93)の《エヴゲーニイ・オネーギン》がプーシキンの原詩リズム四脚弱強格をそのまま全曲に移入してはいるが、言葉より旋律を重視した作曲家であったこと、この法則を敢えて破ることによりストラヴィーンスキイ(1882~1971)が新たな語法を獲得したことなどが明らかになった。本論は、歌い手や研究者にとって、ロシア語を伴う音楽を勉強する際の出発点となるだけでなく、ソ連時代に歪められ捏造されたロシア音楽史を再構築する際の有力な分析手段となろう。}, pages = {131--151}, title = {音楽と言葉 : 芸術音楽における旋律とロシア語の統音論序説}, volume = {13}, year = {2013}, yomi = {HITOTSUYANAGI, Fumiko} }